デザイナーも気を付ける薬機法について

最近のニュースでこれ関係の逮捕者が出たので記事にしてみます。
デザイナーやディレクターは「知らなかった」じゃ済まされない薬機法について。

最近のニュースについて

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20200720/2000032589.html

福岡で逮捕者が出たみたいです。
今回の重要点を引用するとここ↓

広告代理店の担当者らは商品を購入した第三者の体験談を装って「医者が絶句するほどの脂肪肝をわずか1か月で正常値まで下げた。『最強の健康法』だ」などといった記事を作成し、インターネット上に掲載していたということです。

「医者が絶句するほどの脂肪肝をわずか1か月で正常値まで下げた。『最強の健康法』だ」という口コミ意見をいただきました!っていう、まあ言ってしまえば嘘を書いたのがアウトだったみたいですね。

医薬品医療機器法(薬機法)とは?

https://www.yakujihou.com/content/yakkihou.html
ざっくり説明すると医薬品・医療機器として認定されていないものを医薬品・医療機器と同じレベルの効果があるように書いちゃダメだよ!ってやつです。
医薬品・医療機器というのは何かしらの病気にかかってしまってる人や身体に関わる異常がある人が使うことで、その病気・異常を改善するものですね。
また、予防についても書いてはいけません。用法・容量を具体的に書くのもアウト。
例を出すと、

例1)このサプリメントを飲むと風邪が治ります!・・・これは病気が治ると謳っているので基本アウト
例2)このシャンプーを使うとフケがなくなります!・・・これも身体が改善されると謳っているので基本アウト
例3)このシャンプーを使うと良い香りがします!・・・治る・改善することではないので基本セーフ
例4)このシャンプーを使うと体臭がなくなります!・・・身体が改善されると謳っているので基本アウト
例5)ビタミン配合サプリメント・・・成分について書いてるだけなので基本セーフ
例6)風邪予防にオススメのビタミン配合サプリ・・・予防について書いてるので基本アウト
例7)1日2粒程度を目安にしてください・・・目安なのでグレーだが基本セーフ
例8)1日2粒お飲みください・・・用法・容量を明確に書いていて薬のように見えるので基本アウト

となります。(基本セーフ・基本アウトと書いたのは、自分が資格を持ってなく100%大丈夫と言えないため)
もし、フケを改善するシャンプーとして売りたい場合はきちんと成分を医薬品用に配合した上で医薬品として申請をし、「第1類医薬品」などに区分された上でパッケージにその区分を入れこまないといけません。
ちなみにヨーグルトなどの食品には「機能性表示食品」が書かれてるものがあると思いますが、あれはまた別になります。
(機能性表示食品については、これはこれで近年結構複雑な話もあるので興味がある人だけ調べてください)

どうして医薬品にしないのか

じゃあ医薬品として作ればいいじゃないかという意見があると思います。
ただし、企業側としては必ずしも医薬品として売りたくないケースもあります。
まず、医薬品は成分としての効果があるものにしなければなりません。例えば、ミントを吸えば気分がよくなる、みたいなレベルではダメです。具体的に症状に効く成分が一定量入っている必要があります。特定のコンセプトの元商品を作りたい場合はこの条件が邪魔になってしまったり、原価が上がり割高な商品になってしまいターゲットユーザーに届かないといった懸念があります。
また、医薬品として分類された場合、それを販売する人は「薬剤師又は登録販売者(第1類医薬品の場合は薬剤師のみ)」となります。
ドラッグストアなどでレジを打っている人に薬剤師又は登録販売者の方がいる理由はこれです。
つまり医薬品となると薬剤師又は登録販売者がいない店には卸すことができなくなります。例えばスーパーやコンビニといったところですね。
それをしてしまうと当然販売経路は狭くなるのでビジネスとしてしたくないという企業もいます。

でも成分的にはこれに効く可能性があるといいたい商品がある

つい最近生理には鉄分が多いミロが良いみたいな話もツイッターでありましたが、
企業側もそういったことを正直言いたいですよね。
でもミロが公式から「これ生理に良いから!!」みたいなことを言うと、完全に薬機法違反で逮捕です。
(ミロ公式サイトでは鉄分の成分説明に「特に女性では不足しがち」と書く程度で抑えてますね)
こういったケースは様々な商品で考えられると思います。
とくに、中小のブランドとなると他の企業の商品より優位に立つための成分を入れており、それについて何が良いのか言いたくなります。
そこで企業がやることは2つで、ニュアンスで伝えるか、第3者に代わりに言ってもらうかになります。

ニュアンスで伝える

例えば、美容についてのサプリメントを売ろうとした場合。
肌の荒れがなくなる、ニキビが改善される、とか書きたくても書けません。
そこで「人によって印象が変わる言葉や気持ち」で表現します。
「美しさ」という言葉は何をもって美しいというのかは人によって変わりますよね。
「美しさを手に入れる」等の表現では、具体的に肌がどう良くなるのかはわからないですが、
肌に良い効果があることはなんとなく伝わってくると思います。
また、同様に擬態語・擬音語・擬声語(つるつる・すべすべ等)は大丈夫になる場合が多いです。
これらもなんとなく良い効果があることは伝わると思います。

第3者に代わりに言ってもらう

いわゆる口コミです。
その企業から発信したものでない口コミでは薬機法は基本的に適応されません。
例えば、先程のツイッターの件でミロを販売してるネスレ社が薬機法違反ってことにはなりません。
というか、それが出来てしまった場合ライバル企業に適当な口コミ入れて通報するとかいうのができてしまうので。。
ここが企業の抜け穴として使われます。
まあ、要するにSNSである程度認知されているアフィリエイターにお願いをして、その人に使った感想を書いてもらうなどなど。最近だとyoutuberも使われます。美容系youtuberとかもいますからね。
今回の逮捕についてはこれを使ったものなのですが、発信した記事が販売者発信の紹介だったため、第3者からの口コミとみなされなかったということですね。
情報提供があったということなので、ちょっと闇がありそうな話ですが。

最後に

実際この状態が健全なのかというと、正直あまり良い状態じゃないですよね。
私達買う側からしたら、自分にとって良い商品を選びにくい。
企業からしたら、違反のリスクを背負いがち。
なんていうか、もっと良い市場になれないのかって感じはします。
ただ、こういったグレーラインがあるからこそ成長している点もあるので、結構複雑な話ですね。。

あと、最後に重要な話ですが、この薬機法やこれに関わる法律については定期的に変更がされます。
そのため、昔はセーフだったけど今はアウトという場合もあります。
不安な場合は再度薬機法に関する資格を持っている人や機関にお願いしてみてください。
https://www.yakujihou.com/

※私は薬機法に関わるものをよく作ってますが、資格を持っているわけではありませんので一部誤りがある可能性はあります。誤りがある場合はコメントにてお願いします。

ではでは~。

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